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Power Platform中心だけど、ノーコード/ローコード系を書いてます。

ブラウザーにプッシュ通知を送る『Notiivy Browser Notification』を使ってみた

はじめに

8月頭にPreview環境にコネクターが追加された、ブラウザーに通知を送るサービス「Notiivy」ですが、この度アカウント作成の受付が開始されましたので早速テストしてみました。

[8/27更新:日本の環境でも利用可能になりました]

ほとんど情報がないこのコネクター、少ないキャパシティではありますがFreeで利用開始できる上に、他のアクションでは代用できない「ブラウザへのpush通知」が利用できる点で非常に有効だなと思います。 サービスのキャパシティと料金は下図を参照してください。Freeだと25通知/月、5ユーザーまでです。

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料金プラン。一応フリーからSMB, Enterpriseまで対応できそう

動作デモは公式のチャンネルがありますので、そちらでご覧ください。


Notiivy Preview

このブログでは、アカウント作成の流れや、管理コンソールの利用方法、Power Automateで利用する際の流れ、注意点をかいつまんでご紹介します。

アカウント作成

まずはアカウント作成です。Notiivyのトップから、「GET STARTED FOR FREE」をクリックします。アカウント情報の入力画面が表示されますので、姓・名、メールアドレス、パスワードを入力します。

※姓・名はローマ字表記の方が何かサポートしてもらうときに都合がよいかと思います。

※パスワードは大文字小文字数字記号という、もっとも複雑そうな組み合わせです。

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アカウント登録画面。パスワードが記号必須なので注意

数分でアカウント登録の確認メールが届きます。ここで、Outlookだと確認用のリンクが消えてしまうようなので注意してください。

なお、私はどうしようもなかったので、サポートに連絡してアクティベーションしてもらいました。

うまくいけばこれで利用の準備が整います。

管理コンソール の見方

アクセスするとトップにAPI Keyが表示されます。Power Automateではこれをコピーしてコネクターを設定します。

その他、右側にはサブスクリプションの消費状況が、左のメニューには通知を受け取れる人の一覧 (ここで通知を受け取れる人のステータスとグループを管理する) 、通知を許諾するページのスタイル設定 (後述) のリンクが表示されています。

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管理コンソール

Recipients 一覧では、Power Automateのアクションを使って登録したユーザーID、名前、カテゴリー、通知の許諾状況、許諾のためのページURLが表示されます。

ページURL以外はPower Automateのアクションで生成するものですので、ユーザーIDは管理者側で何らかのルールを決めておく必要がありそうです。

カテゴリーは複数人への配信を行うためのグループです。部門とか、用途でカテゴリーを指定して通知先を管理するのに使います。

※1ユーザーで複数ブラウザーに通知を送れますね。

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Recipient一覧ページ
注意

Recipientsの一覧はこの画面でしか取得できません。自前のリストでユーザー管理したい場合には、ユーザー登録アクションを実行する際に何らかのリストに登録が必要です。

Power Automateでの使い方

ここからは簡単に、Power Automateでのコネクション作成、通知を受け取るユーザー登録、通知の送信までの流れをご紹介します。 なお、執筆時点 (8/17) ではPreview環境でのみ利用可能です。一般の環境へのリリースは数週間後と聞いていますので少々お待ちください。

コネクション作成

コネクションの作成は非常に簡単です。

簡単のために、まずはボタンで開始するフローを作成します。 アクションの追加で、「Premium」> 「Notiivy Browser Notification」を選択します。 最初は通知の受信者を登録するアクションが必要ですので、「Add a recipient as a subscriber (preview)」を選んでください。

コネクション名とAPI Keyの入力を求められるので、ここに管理コンソールからコピーしてきたAPI Keyを入力して完了です。

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コネクションの作成

Subscriber登録

最初に行うアクションは通知を受信するユーザーの登録です。NotiivyではPower Automateからのみ、受信者を追加できます。 (逆に、管理コンソールからのバルク登録はありません)

適当なトリガー (ここではボタン) で開始されるフローを用意し、「Add a recipient as a subscriber」アクションを追加。ここに必要な情報を入力します。

設定項目は以下の通りです。

  • Recipient Unique ID (管理者側で作成する一意な値。必須)
  • Recipient Category (必須)
  • Recipient Name (オプション)

Unique IDはシステムでの自動生成ではなく、管理者 (このフローを利用する人) が指定するものです。ADのIDなどとはリンクしないので、なんらかの連番や、UPNなどを利用するのが良いと思われます。

Category は更新ができなさそうなので、テストの段階では適当なグループでよいですが、実際の運用時には先に決めておく必要があります。

さて、このフローを実行すると、アクションの結果にURLが表示されます。(下図左上)

このURLにアクセスすると「Subscribe」とだけ書かれた画面が表示され、クリックすると「通知を許可しますか?」のポップアップがブラウザーによって表示されます。

※この画面が、管理コンソールにあった「通知を許諾するページのスタイル設定」によってきまるページです。設定すればタイトルなども表示できるので、もう少し怪しくない画面にできます。

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通知を許諾する流れ

これで登録は完了です。

管理コンソールのRecipient一覧から登録されているかを確認してみてください。

通知送信

以降はユーザーの指定にUIDを利用することになります。Power Automate内で受信者を指定するのであれば、どこかのリストでUIDとAADの情報を結びつけるような対応表を持っておく必要があります。 今回はテストのために単純にべた書きしました。

設定内容は以下の通りです。

  • 受信者 (Notiivy の UID)
  • タイトル
  • 本文 ※注1
  • イメージURL
  • アイコンURL
  • アクションボタンの設定 ※注2

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通知アクションの設定と、通知の対応

対応は図を見ていただければと思いますが、注意点が2つあります。

注意1:本文は合計4行までしか表示されません

これは実際テストしてみないといけません。アクションレベルでも文字数のチェックなどは入らないので実機テストが必要です。 (例でもLine4が表示されていない)

注意2:ボタンは2個まで

カードにはボタンを設定できます。これによってユーザーがアクションを起こせるわけですが、図の右側を見てわかる通り、2個までしか登録できません。

以上の注意点について念のため問い合わせましたが、最大4行、ボタンは2つまでで間違いないそうです。 いずれにしても、実運用する前にテストが必須ですね。

おわり

今回は他のコネクターと少し雰囲気の異なる「Notiivy Browser Notification」を使ってみました。

モバイルへの通知はPower Automateのモバイルアプリであったり、Power Apps Notificationを利用すればよいですが、デスクトップのユーザーを対象としてPush通知を送るのであれば非常に有力なサービスであると考えられます。

できたばかりのサービスで、サポートもたぶん作っている人がやっているようです。非常に手厚くサポートしてもらえるので、ぜひ使ってみて、フィードバックしていきましょう!

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